
日本の伝統芸能や工芸のニュースで登場する「人間国宝」。 言葉の響きからしてとてつもないオーラを感じますが、実は「人間国宝」というのは通称であり、正式な法律用語ではないってご存知でしたか?
今回は、人間国宝の本当の意味や歴史、そして「どうすればなれるのか?」という疑問について解説します!
🤔 そもそも「人間国宝」って何?
人間国宝の正式名称は、「重要無形文化財の保持者」と言います。
国宝といえば、お城や仏像などの「形あるもの(有形文化財)」をイメージしますよね。しかし、陶芸の技術や、歌舞伎・能の演技といった「形のない神業(無形文化財)」は、人が受け継いでいかなければ途絶えてしまいます。
そこで、その素晴らしい「技術やわざ」を国の宝(重要無形文化財)として指定し、「その技を高度に体現できる人物(保持者)」を認定する制度が作られました。 つまり、人そのものが国宝というよりも、「国宝級の技を持っている人」だから、親しみを込めて「人間国宝」と呼ばれているのです。
📜 どういった経緯でスタートしたの?
きっかけは、1949年(昭和24年)に起きた法隆寺金堂の火災です。 この火災で世界的な壁画が焼損してしまったことが日本中に大きなショックを与え、「日本の大切な文化財を国を挙げて守らなければ!」という機運が高まり、翌1950年に「文化財保護法」という法律ができました。
その後、1954年(昭和29年)の法改正により、形あるものだけでなく「無形の文化財(芸能や工芸技術)」も保護の対象となり、今の人間国宝の制度がスタートしました。
🥇 最初(第1号)の人間国宝はだれ?
制度がスタートした翌年の1955年(昭和30年)2月15日に、初めての人間国宝が誕生しました。
実は「第1号はこの人!」という一人の人物がいるわけではなく、第1次認定として39名が同時に認定されました。 その中には、歌舞伎役者の八代目 坂東三津五郎さんや、陶芸家の富本憲吉さん、石黒宗麿さんなど、各界の伝説的な巨匠たちが名を連ねています。
🧗♂️ 人間国宝になるにはどうしたらいい?
「私も人間国宝になりたい!」と思っても、自己申告で応募したり、試験を受けたりしてなれるものではありません。
人間国宝に選ばれるには、以下の厳しい条件を満たす必要があります。
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伝統的な工芸技術や芸能を極め、「最高の技」を身につけていること。
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その技を自分だけのものにせず、後継者を育成し、伝統の保存に貢献していること。
これらの実績を踏まえ、文部科学大臣の諮問機関である「文化審議会」が専門的な調査・選考を行い、文部科学大臣に答申(推薦)することで初めて認定されます。文字通り、一生をかけた究極の職人・表現者だけが到達できる境地です。
👥 今、人間国宝は何人くらいいるの?
現在、ご存命の人間国宝は約110名ほどです。
実は、人間国宝に認定されると、その技術を磨いたり後継者を育てたりするための特別助成金(年間200万円)が国から支給されます。国の予算の都合もあり、この助成金を受け取れる人間国宝の定員は「最大116名まで」と法律で枠が決められています。
そのため、新たに認定される方がいる一方で、お亡くなりになって認定が解除される方もおり、常に105名〜115名程度で推移しています。
🌸 まとめ
人間国宝とは、単なる名誉ある称号ではなく、「日本の素晴らしい伝統技術を、未来の世代へつなぐためのバトン」を託された人たちのことです。
美術館で美しい陶器や染織物を見たり、舞台で伝統芸能に触れたりする機会があれば、ぜひ「この技が今日まで受け継がれてきた重み」も一緒に感じてみてくださいね!